FACTOR O2 (2nd Gen)を組付けし、300km程度乗ったので感想などを紹介します。
FACTORはUCIワールドツアーチームのイスラエル・スタートアップネイションにも機材供給するドイツの新興バイクメーカーで、ダウンチューブが二手に分かれた、双胴のエアロフレーム「ONE」で話題になりました。
今回入荷したのは軽量モデルのO2シリーズで、2世代目になるO2(2nd Gen)です。
煩わしいので普通にO2と呼びますが、初代O2から素材やカーボンレイアウトが見直され、より乗りやすいバランスに仕上がっています。
2世代目になって、上位モデルのO2 V.A.Mがラインナップに加わりましたが、ディスクモデルでフレーム700gと超軽量ながら価格はフレームセット約65万円と化け物級で、実質選択肢としては32万円程度のこのO2になるでしょう。
セカンドグレードにあたるとはいえ重量は800g台で非常に軽量。他メーカーではハイエンドになるであろうスペックです。
乗ればよりその軽さが実感できるとともに、尖った乗り味ではなく、非常に丁寧な味付けがされているのが印象的でした。
まず、乗り始めてすぐに軽さを実感しましたが、これはある程度予想できていました。
予想外だったのは、非常に伸びのある加速感でした。
この手の軽量モデルは軽くて瞬発力があるものの、高い速度域に持っていくまでには上手く踏んであげないと、スカスカしてうまく高い速度に乗せられないということがありがちですが、このO2はしっかりとした弾力があって、ある程度雑な踏み方でも50km付近までは気持ちよく加速してくれます。
これは非常に上質な剛性感であり、しっかり研究して生み出された味付けなのだと感じました。
剛性は高めですが、細身で非力な私でも乗れるいい塩梅のバランスで、これ以上の剛性は持て余すと思います。
逆に50km付近からさらに加速するようなスプリント向けではないです。
なので体重もありパワフルなレーサーには若干物足りない可能性があります。
また振動吸収性に関しては、この手のフレームにしてはかなり優れています。
フロントフォークが非常に細く、そういう場合、コーナリングの安定性や横剛性を疑問視する意見も見受けられますが、実際は横からみた太さはあまり重要ではなく、厚さと形状が影響しますので、このO2もコーナリングは全く問題ありませんでした。
あえて不満な点を挙げるとすると、流行りの内装タイプのシートクランプであることと、シート角が73°とやや強めである点でしょうか。
それもシートポストのオフセットを調整すれば問題なく、リーチやスタックハイトを確認してポジションを出せばよい話だと思います。
FACTOR O2 (2nd Gen) は、おしゃれなデザインと軽さに惹かれると思いますが、個人的には気持ちの良い加速感が最も印象的でした。
見た目や印象とは違い、実は質の高い乗り味が売りの一台だなと感じました。