東京オリンピック MTB XC クロスカントリー レースレポートと感想

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伊豆の新設コースを走る東京オリンピック MTBクロスカントリーをライブ中継で観戦した。
XCをあまり見ない方は、コースと注目選手の紹介だけ確認して、是非NHKサイトの再配信を観てほしい。
持久力、テクニック、マシン性能の全てが求められるので、とてもおもしろい。

伊豆に新設された今回のコースは、テクニカルで急勾配の登り坂を持つ難易度の高いコース。
特に大きな階段上になった岩々を下るロックセクションは要注意。
その他にも下りセクションでも岩が点在しているので、気の抜けないステージとなる。
そういうセクションで勝負したい選手は、120mmトラベルのサスペンションを選ぶかもしれない。
機材に関してはわかり次第また別で紹介すると思う。多分。

注目選手としては、今シーズン絶好調のスイスチャンピオン、マティアス・フルキガー。
ロードでも活躍するオランダのマチュー・ファンデルプール、イギリスのトーマス・ピドコック。
ピドコックは怪我もあったので、コンディションがとの程度かはわからない。

もちろん、オリンピック2回、世界選手権8回を制する生きる伝説ニノ・シューターも注目だが、
35歳の彼は同じスイス人のフルキガーの後塵を拝することが多くなり、
「下りはミスなくこなし、登りセクションでの自足勝負」という展開になればやや厳しいように思われる。
あとはジョルダン・サルーやヴィクトル・コレツキーのフランス勢。
ブラジルのアヴァンシーニといったところ。アヴァンシーニもコース的には厳しいかもしれない。

ではここからは結果なので、観てない方は是非観てから読んでほしい。
スタートは大方予想通りだったが、まず衝撃的だったのが、一発目のジャンプセクションにあたるドロップオフで、マチュー・ファンデルプールがフロントから落ちて一回転するという大きな落車。
ジャンプの先は岩から砂に変わっており、だいたいの選手は岩に着地するので、もしかしたら後半の集中力を欠いたときに何かあるかもとは思ったが、まさか初っ端でこんなミスをするとは思わなかった。
ちなみにニノ・シューターはこの岩の先まで軽々飛んでいた。

東京オリンピックのキャニオンバイクは、ロードとMTBともにアニメキャラデザイン

大クラッシュをしたマチュー・ファンデルプールはその後猛追を見せたあとリタイアした。
マチューらしいなと思った。

2週目からスイスのニノ・シューター、フルキガーとイギリスのピドコックの3人が先行し始める。
下りのテクニカルなセクションではやはりニノ・シューターがスムーズで速く、登りではフルキガー、ピドコックが詰め、アントン・クーパーが追いすがるといった展開だったが、途中からピドコックが先頭に出る。

4週目も同様にピドコックが先頭でニノ・シューターが続く。
そのニノ・シューターが下りスラロームでリアがバンプしてほぼ真横を向いたが、瞬時に立て直し、ほぼロスなしで下った。
またその次の下って左コーナーの登り返しで一気に加速してピドコックに追いつくところなど、さすがだった。
このあたりでフルキガーやアントン・クーパーが遅れ始める。
そして登りの多いセクションではニノ・シューターが大きく遅れる。ピドコックのペースで足を使い過ぎたか、あるいはちょっとしたミスか。

フルキガーはニノ・シューターをパスし、ピドコックを追う。
その後は特に大きな展開はなく、登りと下りともに安定した速さを見せたピドコックが、全く危なげない走りでフルキガーに20秒近い差をつけてフィニッシュ。

3位は4週目あたりから猛追を見せたスペインのバレロセラノ。
ニノ・シューターは4位に終わった。

日本人の山本幸平は7分以上遅れたが29位でフィニッシュ。
このベテランが母国開催のオリンピックで完走したのは、大きな意味があるのかもしれない。

ただ国内とアジアでは最強の山本幸平でようやくこの結果なので、ロード同様、もっとプロスポーツとしての盛り上がりが必要。
自分としてはMTBを含む自転車の文化を盛り上げるために何かできればなと改めて感じた。

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