【製品レビュー】超軽量カーボンクランクセット「ELILEE X310 × SIGEYI パワーメーター」実走インプレッション

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新たに取り扱いを開始したELILEE X310 カーボンクランクに、SIGEYI製パワーメーターを組み合わせた構成で実走してきましたので、レビューや商品紹介をお届けします。

製品の特長

ELILEE X310 カーボンクランクSIGEYI AXO パワーメーターの主な特徴は下記の通りです。

  • とにかく軽い
     シマノのアルテグラやデュラエースと比較して、約200gの軽量化が可能です。
  • シマノチェーンリングが使用可能
     SIGEYI製のパワーメーター、またはELILEE純正スパイダーアームに、シマノ4アームチェーンリング(アルテグラやデュラエースの11・12Sなど)を取り付けることができます。
  • 選べるシャフト規格
     SRAM DUB規格(28.99mm)と、シマノ ホローテック2規格(φ24mm)に対応した2種類をラインナップ。
  • 長寿命バッテリー
     SIGEYIのパワーメーターは、1回の充電で約300時間使用可能(メーカー公表値)

実走レビュー

実際にELILEE X310 × SIGEYI AXO パワーメーターを車体にインストールして実走してきました。
クランクシャフトはDUB規格になります。

車体は「WINSPACE C5 AERO」、チェーンリングはアルテグラ FC-R8100を使用。

比較用にWahoo Speedplay Powrlink(両足計測モデル)のペダル型パワーメーターを使用しました。

ヒルクライムを含んだ150km程度を走行してきました。

テスト結果

  • 変速性能
     今回のテストでは変速トラブルは一切なく、違和感も特にありませんでした。
  • 剛性
     登坂時やダンシングなど、クランクに負荷がかかる場面でも、私程度の体重の軽い人間のパワーだと全く剛性の不足は感じませんでした。
     クランクの剛性に言及するには、まずチェーンリングの剛性やフレーム側の剛性を考慮しなければ意味がないと個人的には考えています。
  • パワーメーターの計測精度
     Wahoo Speedplay Powrlinkと比較しても大きな差はなく、誤差程度と言えるものでした。
    このパワーメーターの精度に関しては、比較対象が正しいという保証もないため、数値がどうこうではなく、パワーの出方を比較するべきで、数値に関しては大きな乖離がなければ問題ないだろうと思います。
     そのうえで誤差程度の差だったので、実用レベルの精度と言って問題ないでしょう。

気になった点

クランクの形状的に足がクランク表面と擦れやすいかもしれません。
ただしペダリングに支障が出るようなものではないので、気になる人は少し調整するか、クランク表面に保護シールでも貼ればよいかと思います。

総合評価

今回のテストではこれと言って悪い点はありませんでした。

ロードバイクにおいて200gの軽量化というのはかなり難しく、クランク一つでそれが実現するのであれば大変大きなメリットです。

最も懸念していた変速性能も全く問題なく、車体のアップグレードにおすすめできる商品だと感じました。

導入にあたっての注意事項

BB規格やフレーム形状による干渉について

クランク型パワーメーターの導入において、最も注意しなければならない、フレームとの干渉問題についてです。

今回装着したWINSPACE C5 AEROのBB規格はT47 INBOARDになります。
T47 INBOARDは最近よく採用されており、BBの口径が大きく、そのうえBB386やPF86と同様のシェル幅となっているため、干渉しやすいBB規格になりますが、今回は全く干渉していません。

DUB規格のX310を使用したので、ホローテック2(φ24mm)規格の方では確認できておりません。

スパイダーアームによる変速性能への影響について

以前、前モデルのELILEEクランクを装着した車体が変速トラブルのため持ち込まれたことがありました。

その際、スパイダーアームの剛性が低いことが気になりました。
具体的には指で押すとチェーンリングがたわむのですが、これがシマノのクランクよりも少し大きいのです。

BB規格が特殊な車体でもあったため、これが変速トラブルの原因とは断定できませんでしたが、今まで当店でELILEEを取り扱いしてこなかったのはこれが理由の一つです。

しかし、今回のX310とSIGEYI AXO パワーメーターという組み合わせではそのような問題は見られず、十分な実用性能を確認できたため、正式に取り扱いを開始しました。

純正スパイダーアームを使用した場合の変速性能については現時点で未検証ですので、今後機会があればレビューしようと思います。

DUBとホローテック2(φ24mm)どちらがおすすめか

X310にはスラム DUBとシマノ ホローテック2(φ24mm)のクランクシャフト規格が用意されています。

それぞれでQファクターが微妙に異なっており、DUBは149mm、φ24mmは151.5mmとなります。
DUBの方はシマノ純正クランクとほとんど同じですが、φ24mmの方は少し広いです。
おそらく多くの方は気にならない程度だとは思います。

シャフトの素材がDUBはアルミ、φ24mmはチタンということですが、重量は同じです。

ただし価格が異なり、DUBが54,900円に対して、φ24mmが65,200円と1万円以上高いです。

ということで、バイクを新たに組む場合や、BBを交換するタイミングであればDUBを選ぶ方が良いでしょう。

まとめ

今回の検証ではほとんどデメリットは感じられず、とてもおすすめできる商品だと感じました。

クランク長が155mmからラインナップされているのも魅力的です。

ただし、サードパーティー品になりますので、互換性や相性の問題は確認しきれていないのでご注意ください。
店頭でお買い上げいただくお客様には事前の相談やアフターサービスでフォローしますので、その点はご安心ください。

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