【WheelTop】電動無線コンポ「EDS」組み付けしました | EDS TX レビュー

INFOMATION

安価な電動無線変速コンポーネント「EDS」シリーズが発売されてしばらく経ち、組み付けしたり、実際に使用してみて感じた良い点や気になる点を紹介します。

販売開始からすでにいくつか組み付けしたり販売させていただきました。
ご自身で組み付けされる方には、店頭販売のみという規定があるので来店いただいて販売してます。

7段から13段変速まで対応し、かつギア1段ごとにディレイラーの位置調整ができるため、あらゆるコンポメーカーに対応できると期待されましたが実際はどうでしょうか。

最初に結論をいってしまうと、使えます。
使えるという幅がある表現をしたのは「どこまで調整できるか」と「どこまで許容できるか」によるためです。

EDSシリーズの魅力

まずEDSシリーズの魅力は価格です。
比較対象としてはシマノ 105 Di2 12速が挙げられますが、同じセット内容(レバー・ブレーキ・前後ディレイラー)だと105 Di2は約18万円、EDSはアルミモデルで約12万円と、その価格差は約6万円です。

次に変速位置を1段ごとに数値で設定できるという点です。
具体的に説明すると、まず変速段数を7~13速の間で決めます。
そしてリアディレイラーのトップギアの位置を設定します。
そこを始点として2段目の停止位置、3段目の停止位置…と始点からの距離をそれぞれ一段ずつ数値で入力します。

つまり理論上はカンパニョーロであろうがスラムであろうが、どんなスプロケットでも最適な変速位置に調整ができるということです。

非常に自由度が高く、例えば11速のスプロケットに対して、ローギアだけ変速しないようにして10速にするということも可能です。
固定ローラー台などで干渉してしまう際に有効だったりします。

調整やアップデートは全てスマホアプリから

変速調整やペアリングなどは全てアプリで行います。
アプリはまだ日本語に対応しておらず、また操作性もイマイチです。
今後良くなっていくと思いますが、現時点ではアプリの操作などにあまり自信のない方はやめておいた方が良いです。
→日本語対応されました。日本ユーザー限定で調整の権限が付与されている項目もあります。
 権限を得るには国籍の設定だけでなく、言語設定も日本語に変更する必要があります。

またスマートフォンによっては特定の操作ができないというエラーもあったり、そのうちアップデートで改善されるとは思いますが、アプリはまだ未完成といえます。

変速性能は105 Di2に劣る

肝心の変速性能ですが、率直にいうと105 Di2と比較するとEDSの変速性能は劣ります。
特に12速で使用するには精度が少し足りておらず、隣の歯とチェーンが接触して若干音鳴りがすることがあります。
しかし変速しないということはなく「どこまで許容できるか」という評価になります。

12速ではやや物足りないものの、11速では特に問題は出ていません。
結論としては12速でも使えますが、異音や精度を気にする方は11速で組むか、シマノにしておきましょう。

なぜ変速性能が若干劣るのか、もう少し詳しく説明します。
先ほど述べたように、EDSは変速位置を一段ごとに調整できるので、いくらでも変速調整をして精度を上げられそうに思います。

ですが実際にはその自由度が仇となって、設定した位置に毎回安定して移動してくれません。
上から変速する場合と下から変速する場合の両方ともで、全く同じ位置にディレイラーを制止させるのは機械的に難しいのです。

シマノのDi2であれば一段ごとの移動量は決められており、全体的にローギアよりかトップギアよりかを調整します。
最初から移動量が決められているため、シマノは再現性が高いのです。

気になる点

変速性能とアプリの使い勝手以外での気になった点を紹介します。

・フロントディレイラーのサポートボルトが裏側からしか調整できない。
シマノのようにフロントディレイラーを取り付けた状態で調整できないため、適当にイモネジを緩めて、フロントディレイラーを取り付けて確認というのを繰り返します。
何となく以前のSram eTapを思い出します。

・フロントディレイラーの取り付け位置が高い
フロントディレイラーが縦に長いためか、フレームによっては大きいチェーンリングだと干渉する場合があります。

・ディレイラーのバッテリー交換ができない
スラムと違ってバッテリーは内蔵式なので、バッテリーの交換ができません。
レバーはボタン電池が入っており交換可能です。

まとめ

シマノの電動コンポを良く触っているものとしては、性能の見劣りは感じます。
しかし使えないということは全くありません。

実際に使った感想としては、11速で使用した場合、何も問題ありませんでした。
レバー形状などは流石にシマノに一日の長がありますが、EDSがあえて不満ということもありません。

現行のシマノの方がレバーのクリック感がいいなとか、トリムのパターンを変更出来たらなとか、細かい点を言えばキリがないですが、
本格的にレースをするわけではなく、細かいところを気にしないのであれば、この自由度の高さと価格は魅力だと思います。

現在kurocycle店頭で触って実感いただけますので、購入検討中の方は是非。

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