超軽量なREVOLOOPのTPUチューブを実際に使用した感想を紹介します。
ブチルチューブはだいたい100g程度ですが、今回紹介するREVOLOOP RACE ULTRAはわずか25gです。
タイヤやチューブはホイールのさらに外側に位置するため、ホイールの軽量化以上に効果があり、通常のチューブが100gと仮定すると、RACE ULTRAを使用すると前後あわせて150gの軽量となります。
ホイールを前後150g軽くしようとするとミドルグレードからハイエンドモデルになるくらいの違いがあります。
TPUチューブとは
なぜこれほどの軽量化ができるというと、ずばりそのままですがTPU(熱可塑性ポリウレタン)を使っているからです。
TPUはスマホケースなどに使われており、耐久性に優れる反面、熱に弱く変色しやすいという特徴があります。
チューブとしてのメリットは軽量で耐パンク性が高いということで、デメリットは熱に弱いという点です。
メーカーによってはリムブレーキでの使用は不可となっています。
REVOLOOPはカーボンリムでも使用可となっていますが、高温になりすぎるような場合は使用しないようにと注意書きがあります。
REVOLOOP製品ラインナップ
REVOLOOPのTPUチューブはロード用だけでなく、MTBやシクロクロス、小径車用もラインナップされています。
ロード用としては、今回紹介している「ULTRA RACE」と、もう少し肉厚で若干重量増になりますが、価格を抑えた「RACE」の2モデルがラインナップされています。
・REVOLOOP RACE ULTRA 25g 4,180円(税込)
・REVOLOOP RACE 39g 3,080円(税込)
実際に使用した感想
今回はディスクブレーキホイールで使用しました。
ホイールはLUN HYPER D33、タイヤはPANARACER AGILEST 28Cです。
取り付けの注意点として、タイヤの中に入れていない剥き出しの状態で、空気圧は0.5bar以上入れないでください。
普通そんなに入れることはないと思いますが、ゴムと違って伸縮性はありませんのでバーストしてしまいます。
空気圧は普段使っているよりも0.1~0.3bar下げることがおすすめされていますが、個人的にはもう少し下げた方が良いです。
というのも、TPUの素材の性質上、空気圧が高いと非常に乗り心地が悪くなります。
ゴムのように素材自体の伸縮性がないため、空気圧が高すぎると、路面の凹凸をそのまま拾ってしまうことになります。
徐々に空気圧を下げていって、丁度良かったのが4.5barくらいでした。通常から1barくらい下げていることになります。
丁度良い設定を見つけると、乗り心地の悪さはほとんど感じません。
それでいて時間経過による空気の抜けは普通のブチルチューブと同程度で、チューブレスやラテックスチューブよりも扱いやすいです。
そして走りの軽さも実感できるレベルで、特に漕ぎ出しと登りが一段軽くなります。
500km程度使用しましたが、一度もパンクはなし。
数年前にTPUチューブが出始めたころに、他のメーカーのものを扱ったことがありましたが、すぐにバルブの根本からエア漏れが生じました。
今回はそんなことはなさそうです。
その後Vittoriaのラテックスチューブに交換しました。
やはりラテックスの方がしなやかさはあるものの、適正な空気圧にしたRACE ULTRAも引けをとりません。
しかし空気圧を高めに設定したときは、圧倒的にラテックスの方が上です。
取り出したREVOLOOP RACE ULTRAは、TPUの特性通り、黄ばんでいて、伸びているのが分かります。
もちろん、もう一度取り付けて使用しても全く問題ありませんでした。
チューブレスレディとの重量比較
また、チューブレスレディと比較しても、大幅に軽量化できます。
例:チューブレスレディ
PANARACER AGILEST TLR 28C 250g + シーラント・バルブ 35g = 合計重量 285g
例:REVOLOOP RACE ULTRA
PANARACER AGILEST 28C 210g + RACE ULTRA 25g = 合計重量 235g
例:REVOLOOP RACE
PANARACER AGILEST 28C 210g + RACE 39g = 合計重量 249g
まとめ
簡単にまとめると、空気圧の設定に試行錯誤が必要なものの、TPUチューブの軽さは大きな武器になるという話でした。
ショップや雑誌などでもチューブレスレディをお勧めされることがほとんどというなか、取り付けやパンク時の対応など、一般のサイクリストにとって取り扱い難いという声が多いのが現状です。
チューブレスでもより扱いやすい製品や手法と、クリンチャーより良い製品の両面から今後も探っていきたいです。