レムコ・エヴェネプール、圧勝。個人TTと2冠 | パリオリンピック ロードレース

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8/3 (土) に行われた男子ロードレースは、レムコ・エヴェネプールの圧勝に終わり、
史上初の個人タイムトライアルとロードレースのダブルで金メダル獲得となった。

レースの内容としてはレムコ・エヴェネプールが強すぎてあまり書くことがないので、簡単にレース展開をまとめる。

レース展開

全長273kmのなかにいくつも丘があり、累積の獲得標高は2800m近くになるため、アルデンヌクラシックを得意とするマチュー・ファンデルプールとワウト・ファンアールトらベルギー勢が注目された。

アムステルゴールドレースを制したピドコックも優勝候補ですが、先日のXCOでかなり消耗があったと考えられ、同様にエヴェネプールもツール・ド・フランスに続く個人TTで疲労している、はずだった…

距離が長いこともあり、前半は全くといっていいほどレースは動かない。
序盤にアフリカ勢を中心とした5人の逃げ集団ができ、一時は15分近くまで許容するほど集団はのんびりムード。

途中、ヴィヴィアーニやライアン・ミューレンら4人が追走をかけ、150km地点で先頭と合流。

残り100kmを切ったあたりから集団が徐々に活性化し、ルツェンコとベン・ヒーリーが追走に出る。

ヴィヴィアーニが脱落したことで先頭はライアン・ミューレンのみとなり、追走に追い付かれてからは同じアイルランドのベン・ヒーリーを最後の力でアシストする。

残り60km、ニール・ポリッツのアタックにより、ヴァランタン・マデュアス、マイケル・ウッズ、マルコ・ハラー、フレッド・ライト、キュングらの実力のある追走集団ができる。
これに食らいついたブルゴスBHに所属するモンゴル人選手のサインバヤルは印象に残った。

ルツェンコとヒーリーの逃げ、20秒後方に追走集団、その1分後方にメイン集団という構図に。

そして残り47km、3度登場するモンマントルの石畳の上り坂に突入する。
まず先頭ではベン・ヒーリーがルツェンコを突き放し単独に。
メイン集団ではマチュー・ファンデルプールが加速するがワウト・ファンアールトがしっかりとマークしこのアタックは決まらない。

残り38km、マチュー・ファンデルプールの第3集団をキャッチし少しスピードが落ちたメイン集団からレムコ・エヴェネプールがアタック。

メイン集団に映像が移って、その次にレムコ・エヴェネプールに映像がスイッチしたときには、すでに第2集団の先頭を引いていた。
圧倒的な力の差であった。

そこからはほとんどレムコ・エヴェネプールが先頭を牽引する。
というより誰も前に出られない。
あの実力者揃いの第2集団がついて行くので精一杯の状態。
気付けばついていけていたのがマドゥアスのみ。

2回目の石畳の登り坂でもマチュー・ファンデルプールが仕掛けるが、またファンアールトがチェック。
ベルギーのチームプレイが機能している。

残り15km、エヴェネプールは必死で食らいついていたマドゥアスを引きちぎってついに独走状態に。
マドゥアスは2位を守るための戦いになる。

お得意の独走状態に入ったエヴェネプールは詰められるどこからタイム差を広げてフィニッシュ。
残り3.8kmでまさかのバイクトラブルに見舞われるも、後続としっかり差をつけていたためチームカーがすぐ後ろに入っており事なきを得た。

まとめとおまけ

レムコ・エヴェネプールの強さが異次元であったことはもちろんとして、マドゥアスが粘って2位でフィニッシュしたのは素晴らしかった。

またメイン集団から追走集団にジャンプしたラポルトは、同じフランスのマドゥアスが2位にいたことで上手く立ち回り3位でフィニッシュした。
銀・銅メダルはフランス勢が獲得した。

前回大会はそうでもなかったが、今大会はチーム力が有効に働いたレース展開だった。

新城選手は約9分遅れてセプルベダやサインバヤルらとともに56位でフィニッシュした。

273kmもの長丁場の割に書くことがそれほどなかったので、最後に個人的に気になったどうでもよいことでお茶を濁したい。

まず今回のコースはセーヌ川を渡ってエッフェル塔を背にフィニッシュするという構図である。
しかし水質問題で今大会のトライアスロンの開催すら危ぶまれ、選手から大顰蹙を買ったあのセーヌ川である。
ゴール前に何度も尺を使って空撮が入っていたが、この汚い川を見て何を思えばいいのだろうかと苦笑いしてしまった。

特にゴールに向かって橋上をウイニングランしているエヴェネプールを上空からズームしていく絵作りでは、近づくにつれてその汚さが良く分かった。

つぎに、
オリンピックなどの国際大会ではダウンチューブのロゴはメーカーロゴだったはずで、例えば前回大会は「ANCHOR」は「BRIDGESTONE」だったし「S-WORKS」は「SPECIALIZED」だったが、今回は「S-WORKS」ロゴだった。

スペシャライズドについてもう一つ言えば、特別なカラーリングのバイクでスタートしたエヴェネプールは、最後にメカトラで通常カラーのスペアバイクに乗り換えてフィニッシュした。

いつも通り特別カラーとして限定販売されるだろうなどと噂になっていたが、おそらくそう目論んでいたスペシャライズドとしては複雑な心境だったかもしれない。

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